こんにちは^^ みらいです。
猫は紐状のものをよく食べてしまいます。
もともと食べるつもりではなくても、
噛んだりなめたりして食感を楽しむうちに
舌のトゲトゲにひっかかってしまい、
どんどん喉の奥へ送り込んでしまうのです。
また、なかには最初から食べる目的で
口の中に入れてしまう猫もいます。
(そういう時は、持って逃げてでも
急いで食べようとするので要注意です)
それがたとえビニール紐であっても、
猫にとっては食べられないもの
(食べると危険なもの)という
認識はありません。
食べたものが小さかったりして、
運良くすぐに吐き出されたり
排泄されたりしたら良いのですが、
場合によっては重症化することもあるため
十分な注意が必要です。
紐状のものを飲み込んだ場合、
それが胃や腸を傷つけたり、
詰まったり絡んだりするなどして、
非常に危険な状態に陥ることがあります。
今日は、
猫が紐状のものを食べてしまった場合の
対処法と見られやすい症状について、
私の経験も含めてお話したいと思います。
Contents
猫が紐を食べたかも?と思ったら
いつ・何を・どれぐらい食べたか できるだけ正確に把握する
「猫が紐を食べたかも!」と思ったときに
まずすべきことは、
『いつ』『何を』『どれぐらい食べたか』
を、できるだけ正確に把握することです。
猫が飲み込みやすい紐状のもの
- 縫い糸(針ごと丸飲みすることも!)
- くつ紐(1本丸飲みする猫も多い)
- パーカーやスウェットなどの紐
- おもちゃの紐
- おもちゃのネズミのしっぽ
- 毛糸
- ビニール紐
- リボン
- ほつれたタオルの糸
- ストッキング
- 人の髪の毛 など
状況が把握できたら、次に
『その後の食欲はどうか』
『水は飲んでいるか』
『おしっこやうんちは出ているか』
『排泄物の状態に異常はないか』
『嘔吐を繰り返したりしていないか』
などの現状をよく確認しておきます。
獣医さんに相談する
猫がその時点で元気でも、できるだけ早く
獣医さんに電話で相談してください。
飲み込んだ紐の種類や長さ、
飲み込んでからの経過時間によっては、
すぐに病院へ連れて行って
処置を受けた方が良い場合があります。
飲み込んでから2時間ぐらいであれば
まだ胃の中にある可能性があるので、
吐かせる処置をとることによって
口から出せることもあります。
ただし、飲み込んだものによっては
吐かないほうが良いこともあるので、
いずれにしても獣医さんに相談するようにしてください。
(自宅で処置しようとしないでください)
一般的には、
紐の長さが10cm以下の場合で
猫の様子が普段と特に変わらないようなら、
「自宅でそのまま様子を見てください」と
おっしゃる獣医さんが多いようです。
ただ、長さが5cm程度の紐であっても、
時には他の原因と重なって
重症化するケースもあるので、
今元気だからといって油断しないよう
くれぐれも気をつけてください。
重症化した場合に起こりうる事
- 腸閉塞
- 腹膜炎
紐のような長いものを飲み込んでしまい、それが腸にまで入ってしまった場合、
腸管がアコーディオンのように
クシャクシャに縮んだ状態になります。
そしてその状態が長く続くと、
腸同士が擦れ合うことで腸に穴があいたり、紐が絡まった部分が壊死するなどして、
非常に深刻な事態になることがあります。
猫が紐を食べて具合が悪くなっている時に見られやすい症状
紐などの異物を飲み込んでしまった後、
その直後から数日間にわたって
猫の具合が悪くなることがあります。
次のような症状が見られた場合は特に、
自己判断で異物の自然排出を待たずに
早めに獣医さんに相談しましょう。
- 食欲不振
- 嘔吐
- 便秘
- 下痢
- 血便
食欲不振
他に症状が見られない場合、
紐を飲み込んでから
それほど時間が経っていない時に
見られやすい症状です。
「目の前で紐を飲んだ」など、
明らかに誤飲を把握していない限り、
この段階では気づかない飼い主さんの方が多いです。
嘔吐
早ければ飲み込んだ直後から数時間後に
嘔吐が始まります。
この時にうまく吐き戻せることもあれば、
紐を吐き出せないまま
嘔吐だけを繰り返すこともあります。
紐そのものによる内臓の刺激と
異物を認識した体の防御反応から、
激しい嘔吐が続いて喉などが切れ、
出血することもあります。
また、あまりひどい嘔吐が続くと、
緑色の吐瀉物を吐き出すことがあります。
便秘
紐そのものが詰まったり
便に絡まったりすることで、
うまく便が排泄できなくなり、
便秘になることがあります。
食べたものが便となって排泄されるまで、
通常約15~24時間ぐらいです。
丸2日以上排便がなかったり、
出てもいつもより細かったりする場合は、
中で詰まっている可能性があります。
下痢
嘔吐に続いて見られやすいのが下痢です。
嘔吐と同じように、異物を排出しようと
腸の蠕動運動が過剰になった結果、
下痢になることがあります。
血便
大腸など、比較的出口に近い場所から
出血している可能性があります。
紐が蠕動運動によって移動してきた中で、
腸を傷つけていることが考えられます。
様子見中に飼い主にできること
緊急性がなく、様子見をする場合は、
ごはんや水の摂取量や回数・時間等を
できるだけチェックしておきましょう。
また、他にも
「元気がない」
「じっとうずくまっている」
「ぐったりしている」
「口をパクパクさせている」
などの症状が、
時間の経過とともに
悪化していっていないか、
よく観察しておきましょう。
場合によっては少量の食用オイルや
ラキサトーンなどの毛玉排出剤が、
紐の排出の助けとなることがありますが、
飲ませるかどうかは
獣医さんに相談してから決めてください。
いずれにしても、食欲がない場合は
無理に食べさせようとしないでください。
異物排出の妨げとなったり、
症状を悪化させてしまう可能性があります。
また、うんちをしたら
ほぐして内容物をチェックしてみましょう。
万が一腹膜炎や腸閉塞を起こした場合は
早急な手術が必要となるので、
状態の確認と獣医さんへの相談は
怠らないようにしてください。
様子見中に紐がお尻から見えてきたら?
紐の一部がお尻から出てきた場合、
気持ち悪さのあまり、
猫が家中走り回ることがあります。
まずは猫を捕まえて、
何がどの程度見えているか確認します。
そして獣医さんに連絡をして
指示をあおぎましょう。
基本的に
紐は引っ張り出さないほうが良いです。
特に、長い紐の場合、
体内に残っている紐が中で絡まったり
ひっかかったりしていることがあるため、
紐を引っ張ることで腸まで引っ張ったり
腸を傷つけたりする危険があります。
垂れ下がっている紐を短く切るだけでも
猫がおとなしくなることもあるので、
お尻を傷つけないよう注意しながら
紐を1cmぐらいに切って様子を見ましょう。
まとめ
紐は、猫が誤飲しやすいものの中でも、
とくに危険でやっかいなものです。
紐で遊ぶ時は
必ず飼い主と一緒の時だけにして、
遊び終わったらきちんと片付けましょう。
また、紐を保管する時は、
猫の手が届かない高い場所や
しっかりと扉や蓋が閉まる場所にして、
留守中や目を離したスキに
猫が勝手に取り出してしまわないよう、
十分気をつけておいてください。
猫は案外力が強いので、
爪が引っかかる場所がある扉や蓋などは
自力で開けてしまうことがあります。
また、洗濯物を床に置きっぱなしにしたり
紐靴を玄関に出しっぱなしにしないよう、
気をつけておきましょう。
食べてしまう時は、ほんの一瞬です。
普段から気を配っておくことで、
多くの誤飲は防げます。
日頃から部屋の片付けをこまめにしつつ、
人にとっても猫にとっても安心かつ
安全な環境づくりを心がけたいものですね。